
芥見下々の漫画『呪術廻戦』には呪術師と非呪術師の人間、呪いが命を持った呪霊、呪いの王と呼ばれる「宿儺」など様々な存在が登場します。
以下、ネタバレ注意です。
そして一番謎に包まれた存在”天元様”。
天元様は高専各校、呪術界の拠点となる結界
多くの補助監督の結界術、それら全てが天元様によって強度の底上げをしている。
あの方の力添えがないと防護や任務の消化すらままならない
呪術界の守り神と言っても過言では無い存在です。
https://mangagagaga.com/archives/1707
天元様の術式
今回注目したいのは天元様の術式です。
第8巻に収録されている66話にて夜蛾によってこう説明されています。
天元様は”不死”の術式を持っているが”不老”ではない。
ただ老いる分には問題ないが一定以上の老化を終えると術式が肉体を創り変えようとする。
“進化”
人でなくなりより高次の存在と成る。
肉体が一新されれば術式の効果もふり出しに戻る。
“進化”は起こらない。
つまり天元様の術式は一度発動したら効果が永続する、もしくは常時発動型の能力だと言うこと。
発動対象は天元様の肉体。
不死というのは魂があの世に行かないと言う事だ。
術式にもよるが基本的に呪術廻戦では生きている者には魂と肉体の二つの情報がある。
魂が先か肉体が先か
それはそれぞれの術式によって違う。
(魂の形を変えてさせて肉体の形も変える術式や)
高次の存在とは
先程の台詞から考察するに高次の存在は肉体と魂を持っている存在だということ。
“高次”と付くだけあって現実では認識できない世界にいるのかもしれない。
そして高次の存在となった場合、人類の敵となる可能性があるという。
(もしくは結界が発動出来なくなることで呪術関連施設のセキュリティが弱くなり呪術師が働けない。結果的に人類を危険に晒す敵となるかもしれない。)
高次の存在とは一体何なのか?
まず高次の存在の条件として人間ではないこと。
そしてその人間と、どちらが真の人間かと争う呪霊も高次の存在と呼ぶには相応しくない気がする。
それを踏まえて現状、高次の存在に近い存在は二つある。
宿儺と花御(精霊)である。
まず、宿儺に関しては呪いの王として死後も呪物として魂を20個に切り分け、受肉する事で現世に復活できる。
さらには神話に登場する伝説の生物「八岐大蛇」と戦った経験もある。
そもそもの元ネタが神や妖怪に分類されている。
生前の時点で呪術全盛時代の術師が総力を上げて戦いを挑み敗れているので人間を超越している存在と言って間違いない。
また魔虚羅との戦いで耐魔の剣を受けて無事だったので宿儺は呪霊に分類されることもない。
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花御に関しては六眼を持っている五条が呪霊というより精霊に近いと言っています。
独自の言語を操り、呪力を植物の生命と引き換えに生み出す。
森、海、空の悲鳴を聞き人間との共存は不可能と判断し星を守る為に特級呪霊達と手を組んでいます。
ただ星(地球)を守る為の使者という感じなので花御のバックにいる”星の意思”とも言うべき存在が高次の存在と言えるでしょう。
高次の存在は何をするのか?
“高次の存在”が関与している例として挙げられるのが天与呪縛だと思います。
天与呪縛
天から与えられる呪縛
この”天”こそ高次の存在ではないでしょうか。
生まれながら肉体に強制された”縛り”が天与呪縛です。
何かしら身体の不自由(制限)がありその代償として力を手に入れていることです。
この天与呪縛を受けている登場人物はみな身体の不自由(制限)が大きいほど代償として強い力を持っている事がわかります。
“等価交換”の原理になっていると推測できます。
真希先輩は呪術御三家という才に恵まれた血筋ですが呪力が一般人並かそれ以下です。代わりに身体能力は一般人を凌駕しています。
一応これが呪術の家系として一般的な天与呪縛だと思います。
パパ黒は呪術御三家の血筋でありながら呪力を全く持たない0の状態で生まれました。
息子の恵が相伝の術式「十種影法術」を継いでいるので御三家の血筋の中でも特段に良い血筋を受け継いだのだと思います。呪力を持って生まれたなら相伝の術式も継げたはずです。
そんな凄い才能を”天”に奪われた代償として呪霊や呪術師も軽々と凌駕する身体能力と強化された五感を身につける事が出来たのでしょう。
またメカ丸も右腕と膝から下の肉体、腰から下の感覚が無く、肌が異常に弱い代わりに広大な術式範囲と呪力出力を持っています。
この等価交換を管理しているのが高次の存在なのではないでしょうか?
また突然変異で呪術師の家系でなくても術式を手に入れる事があります。
夏油は一般の家系で呪術御三家の相伝の術式にも負けず劣らない術式を持っています。
これも高次の存在の仕業では?
五条爆誕後の呪霊の強化
うん100年ぶりの六眼と無下限呪術の抱き合わせ五条悟の爆誕により呪霊の力が増していくという事態が起こりました。(海外ではどうなのかは不明)
五条によって壊れた世界の均衡(人間と呪霊のバランス)を正すために呪霊を強化したのも高次の存在の仕業だと思います。
高次の存在の天敵
ご紹介した高次の存在の仕業と思わしき事柄を捻じ曲げることの出来る存在がいます。
“無為転変”の術式を持っている真人です。
実際にメカ丸の天与呪縛の身体の不自由を直していました。(強化された能力はそのまま)
呪力を扱えない順平に呪力を操作できるようにしたりと天元様と同じく神の領域に踏み込んだ能力を持っています。
真人は魂の形を変えて肉体を変化させます。
天元様が”高次の存在”になる時、術式によって肉体が創り変えられます。
あれ?真人にも同じ事が出来るのでは?
ん?そう言えば偽夏油は真人を取り込みたいような発言をしていたな。
偽夏油の目的
そして偽夏油の発言、思想で気になっていたのが漏瑚達が100年後の世界を支配しようとする事に手を貸している事です。
脳を移し替える術式という事から人間である事は間違いないはずです。
人間なのに敵である呪霊の支配する世界を目指すのはどうしても違和感がありましたが今回、やっと納得が行きました。
真人の術式を手に入れて”高次の存在”になれば現世(地球)がどうなっていようと関係ないからです。
真人の術式を手に入れる事が出来なくても天元様の体を乗っ取る事が出来れば”高次の存在”になるチャンスは訪れます。
天元様に近づきたい偽夏油と天元様を守りたい高専。
高専の手先で天元様と同化した天内理子に肩入れしていた最強の呪術師・五条悟をどうにかする為にも特級呪霊達と手を組み五条を封印した。
その他、天元様の護衛や結界術を破り近づくには呪術師と敵対する何かが必要です。
宿儺です。
呪術全盛の時代に術師が総力を上げて挑み敗れたまごう事なき呪いの王。
宿儺が復活すれば呪術師達は総力を上げて挑むはずです。
天元様を守るどころの話では無くなるはずです。
天元様の警備を手薄にする為にも宿儺の復活は重要です。
偽夏油の正体は?
こちらの記事で偽夏油の正体の最有力候補として九十九を上げましたが加茂憲倫の方が有力そうです。
加茂の説明を見る限り呪術の研究を熱心にしていた様に思えます。
そんな加茂がある日、天元様の不死の術式、そして”高次の存在”について知ったら必ず自分も研究したい、知りたいと思うはずです。
高次の存在について知るには実際に自分がなるしかありません。
以上で今回の考察記事を終わります。
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